「お薬で奇形児が生まれるらしいわよ」
「お薬の副作用でケイレンを起こして大変だったんですって」
 マスコミでお薬のトラブルが取り上げられるたびにこんな会話がささやかれます。お薬は怖い。これが今や国民に定着しつつあるのはとても困ったことです。


薬の作用
 お薬はよく両刃の剣といわれます。たとえば、アスピリンというお薬はどなたでも ご存じでしょう。熱を下げ、痛みをとり、炎症を抑えるまことにありがたいお薬なのです。しかし、このお薬には血液が固まるのを抑える作用(血小板凝集抑制作用といいます)もあるのです。もしあなたが出血しやすい人(たとえば胃潰瘍がある人)ならば、この作用は 迷惑です。一方、これを逆用して血管内で血液が固まりやすい人、つまり血栓ができやすい人にアスピリンを与えることがあります。このときは血小板凝集作用がきわめてありがたい作用ということになるわけです。このようにお薬の作用は、人によってありがたかったり迷惑だったりすることがあるのです。
          
副作用ということば
 お薬の作用は主作用と副作用に分けるのが普通です。一つのお薬にはいろいろな作用がありますが、そのうち期待するものを主作用といい、残りはすべて副作用といわれます。しかし、アスピリンの例のように、ある人にとっては主作用であるのに、別の人にとってはそれが副作用になることもありますし、その逆もあり得ます。患者さんにとって必要なのは主作用だけです。それ以外の作用は無いに越したことはありませんが、一つの作用しか示さないお薬はまずありません。ほとんど例外なく副作用がついて回らざるを得ないのが実状なのです。
          
副作用を避けるには
1.前にお薬で副作用を経験したことがあるか。
2.他のお薬を飲んでいるか。
3.アレルギー、特異体質ではないか。
4.他の病気を合併していないか。
 などの点に注意します。おかしいと思われたときは、医師・薬剤師などに相談することです。

 

線で結びましょう。

  1.ペニシリン      ・ a.胃腸障害
  2.抗ヒスタミン剤    ・ b.ショック
  3.クロラムフェニコール ・ c.ムーンフェイス
  4.ステロイド剤     ・ d.眠気
  5.アスピリン      ・ e.再生不良性貧血

 

(こたえをクリックすると正解を表示します。)

 

 

 

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