糖尿病等の代謝疾患は治療を怠って放置すると二つの意味で深刻なものとなります。一つめに代謝疾患はいろいろな領域に分かれていますが、全て独立しているわけではなく、お互い密接に関連して共存しています。代謝疾患では一人の人が二つ以上の病気を合併していることが多く、とくに糖尿病、肥満症、高脂血症、痛風、高血圧(食塩過剰摂取が原因となるもの)は合併しやすいものです。二つめにこれらの病気を放置した場合、その人にとって大きな問題になることが少なくありません。脳卒中、心筋梗塞、腎不全、失明などといった深刻な病気の大半は代謝疾患の成れの果てと言っても過言ではありません。多くの代謝疾患の原因として過食、運動不足、ストレスがあげられます。バランスのとれた食事をし(1日30品目を目標に)、良く歩き(万歩計で1日1万歩以上を目標に)、くよくよしないことが大切です。

糖尿病とは
 インスリンの作用不足によりインスリン依存型糖尿病、インスリン非依存型糖尿病等があります。インスリン依存型糖尿病は膵臓からインスリンが分泌されなくなり、インスリンの注射が必要不可欠となります。また、インスリン非依存性糖尿病は膵臓からのインスリン分泌の低下と、骨格筋・脂肪組織・肝臓等でインスリンの作用不足と考えられています。また、糖尿病はいろいろな合併症が起こります。網膜症・腎症・神経症は糖尿病の三大合併症といわれ、その他にもさまざまな合併症が起こります。はじめはほとんど症状がなく、しかし注意してみるとのどが渇く、尿がたくさん出る、だるい、やせたなどの症状に気づくことが少なくありません。ほとんどの場合、たまたま尿検査をしたり、健康診断などで見つかります。早期発見、早期治療が大切なので、見つかったときはすぐに専門医を受診しましょう。
 民間療法に問題がないわけではありませんが、絶対効果がないとも言い切れません。食事療法の栄養のバランスを乱さないもの、害のないものであれば使用してもかまわないものもあります。そんなとき、医師・薬剤師などにご相談ください。

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