![]() |
![]() |
千葉県薬剤師会は、地域医療の向上と薬剤師の専門性の発揮に向けて、さまざまな取り組みを進めています。特に、新型コロナウイルス感染症対策や災害時の医薬品供給体制の確保、薬剤師の在宅医療参画など、社会の変化に対応するための活動が数多く展開してきました。 また、超高齢社会を迎えた現在、地域包括ケアシステムの構築がますます重要となっています。薬剤師は医師・看護師・福祉職など多職種と連携し、住み慣れた地域で誰もが安心して暮らせるサポート体制の一翼を担っています。当会も地域の関係機関と密に協力し、薬剤師が在宅医療や介護現場で果たす役割を拡大しつつ、住民の健康と福祉に寄与するための取り組みを推進しています。 薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の改定が行われており、薬剤師の業務領域や責務にも多くの変化がもたらされています。改定では、医薬品の適正使用や安全対策の強化、オンライン服薬指導の推進、さらには地域における薬局・薬剤師の機能強化などが盛り込まれ、薬剤師にはより高い専門性と主体的な役割が求められています。 千葉県薬剤師会としましても、これら法改正の趣旨を十分に踏まえ、新制度に円滑に対応できるよう、継続的な研修会の開催や情報提供、行政との連携強化などを積極的に進めています。また、患者中心の医療実現に貢献すべく、医薬品の安全管理や副作用情報の共有、地域の健康サポート拠点としての薬局機能の充実にも力を入れています。 近年、地震や台風などの大規模災害が頻発し、地域住民の健康と安全を守るための災害対策がますます重要となっています。千葉県薬剤師会では、災害時に迅速かつ的確な医薬品の供給や、避難所での薬剤管理、健康被害の防止など、多岐にわたる支援活動を展開してまいります。 特に、災害薬事コーディネーターの配置・育成は、当会が力を入れている取り組みのひとつです。災害薬事コーディネーターは、行政や医療機関、関係団体と連携し、被災地での医薬品供給体制の構築や、薬剤師の現場支援を統括する重要な役割を担っています。災害発生時には、医薬品の在庫状況や供給ルートの把握・調整、避難所での服薬相談、慢性疾患を抱える方への継続的な薬物療法の支援など、きめ細やかな対応が求められます。 千葉県薬剤師会では、千葉県薬務課と協力して定期的な訓練や研修を通じて、災害薬事コーディネーターのスキル向上とネットワークの強化を図り、災害時にも途切れることのない薬剤師による支援体制の構築に努めております。今後も行政や地域医療機関と連携し、災害時の医薬品供給や薬事支援に関する課題に積極的に取り組み、住民の皆様に安心をお届けできるよう努力してまいります。 地域における医薬品の安定供給や適正使用も、地域住民の健康を守るうえで欠かせない課題です。千葉県薬剤師会では、地域の医療機関や行政と連携し、必要な医薬品が切れ目なく地域に提供される体制づくりを進めてまいります。地域薬剤師会の協力をいただき、地域医薬品提供体制強化のためのアクションリストの完成、その活用を行っていきます。 また、在宅医療や高齢者施設など多様な現場で安全かつ適切な薬物療法が実施されるよう、薬剤師による情報提供や相談体制の強化に努めております。これにより、住民一人ひとりが安心して医薬品を利用できる地域社会の実現を目指しています。 今後も地域医療の担い手として、薬剤師が医療の質の向上と住民の健康増進に貢献できるよう、引き続き尽力してまいります。皆様には、これまで以上のご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。 |
|
一般社団法人千葉県薬剤師会 会長 眞鍋知史 |
|